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▽せっつんにニンジンを与える。日常業務。
▽何屋かわからないが、歓喜の歌をマーチ風にした音楽をならして町内を回っている車がいる。その音に反応してムク犬が遠吠えしている。
▽そういえば昔は救急車が通ると町中の犬が遠吠えで応えたものだが、あまりそういうのを聴かなくなった気がする。
▽夕方から雨。
▽雨の中、渋谷、神宮前あたりを幸せを求めてさまよう。1時間半ほどであきらめて帰る。
▽電車内。酒でロレツの回らなくなっている男がふたりなにやら話し合い、なにやら分かりあっているのだが、シラフのこちらには、なにを共有し、なにを了解しあっているのか、さっぱりわからない。
▽なぜあんな禅問答のようなすべてを削ぎ落とした会話で、なにごとかを肯定しあえるのか。
▽禅問答の間隙を脳内で根拠なく勝手に埋め、相手の言ったことの可能性を「こちらのいいように」推測する、というようなことが行われているのだろうか。とすれば、会話の間隙が大きければ大きいほど、お互いの幻想の部分が大きくなり、「了解しあった」という思いは大きくなるが、了解しあっている実際は小さくなる。
▽ま、言語というものが完全なものでない以上、日々アルコール抜きだって（そしてアルコール入りでも）、我々は誤解を積み重ねて行くわけだが。
▽雨は強くなっている。
▽せしせし春菊、ブロッコリーの茎、ニンジンを与える。