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▽せせせはカブ、ニンジン、乾燥パイン、固形飼料をもらった。
▽晴れ。
▽腑抜けている。最近、なんの本も読んでいない。
▽思い出した。写真学校に通っていたとき、ファッション雑誌とかに（あるいはストックフォトの本に）乗っている写真をどれでも選んで、似たように撮るべしっていう授業があった。私が選んだのはコニャックのボトルが暗闇に光って浮かんでいるような写真で、似たようなビンに紅茶かなんか入れてライティングをいろいろ工夫するのだが、どうやってもそのような写真を撮ることができなかった。
▽ビンと液体の質感が違う。どうライティングを動かしても再現できないので先生に聞いた。広告写真を一瞥して私の「技術」の欠陥を知ると、先生はそのビンの形にトレペを切ってビンの後ろに貼付けたのだった。こんなワザが……。ファインダーを見ると確かに似たような質感になっている。そしてこんなことが一瞬でわかるってところにすごみを感じた。
▽たぶんこの授業のような、リバース・エンジニアリング的なことが「技術」に到達する一番の近道ではないだろうか。
▽製品を見て、それに似せて作ってみること。今の私に技術の間隙を埋めてくれる先生はいないけれど。
▽せせせにニンジン、カブの葉、みかん、固形飼料を与える。日常業務。