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わりと寝坊。奥さんは仕事に行った後。うさぎにニンジン、ハルノノゲシ、セロリを与える。日常業務。

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引っ越し欲がなくなって（多分）6年ぐらいが経過している。引っ越しだけではない。当時は近所をバイクで走っている間にその気になって、装備もないそのままに旅に出てしまったりしていた。何回となく……。
身の置きどころがない、いてもたってもいられない感覚。あの、そぞろ神に追い回された約十何年間はいったいなんだったのか。〈この場所が自分の居場所ではない〉という気持ちは徐々に薄れ、今ではほとんどない。
当時はよくわかってはいなかったが、結局あれは〈巣離れ〉とか〈死滅回遊魚〉とか〈ハナレザル〉とかとか。なんでもいいけどそういう、〈生き物が生息域を拡大しようとする行動〉とか〈遺伝子を攪拌する行動〉とかと同じ、つまり非常に生物的な行動だったんだな、と思っている。
感情は自分だけのものでは決してなく、もっと大きいシステムに操られている。拡散のシステムが感情という一形態として現れたといってもいいだろう。なにせドングリが丸いのだって拡散欲求のひとつの現れだ。あの気持ち≒ドングリの丸。
そのうち、〈自分の居場所〉を求めて空気のないところまでいくよ。ヒトが行けなくても違う生物が。

2000
せしーは、ニンジン、ハルノノゲシ、セロリ、菜の花を食べた（推定）。