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▽うさせしにナズナ、タンポポ、固形飼料を与える。日常業務。
▽「捏造」という言葉がなんとなく好きになったのは、あの「神の手」事件があってからだ。
▽あれ以来、なにもないところからスクラッチすることを「それじゃ捏造しときます」とか、わりとよく使うようになった。
▽「神の手」の持ち主たる彼はあたりまえながら神ではなく、よって「神の手」はあたりまえの人の手だったわけで、その捏造はあたりまえのごとく糾弾された。
▽しかし調査に来た人を喜ばせたい、自分の好きな考古学をともに好きになってもらいたいという気持ちの異常な強さが、自ら捏造した石器を地層に埋め込み、また発見するという行為につながったと仮定すると、彼の「捏造」という行為は「あらぬ方向への間違った、しかし強い情熱もしくは愛で支えられた創作」というように捉えられるわけで、ある種、いとおしいものとも私には思えた（単なる功名心からという、もっと平易で、もっともつまらない解釈もあるだろう）。
▽「捏造」はゼロからの創作行為で、それには強い気持ちと労力が必要なのだ。そして「捏造」は、我々を間違った道へとさそい、間違った目的地へといざなう。
▽世界は、計画の中で終わる予定調和の岸を離れ、「捏造」によってやみくもな愛の嵐に翻弄され、これまで見たこともなかった岸へと流されていく。
▽……というのは、まあおおげさすぎるが、私がそういう部分を持っていないが故に、また勘違いしたあらぬ方向へ発散する愛と情熱を私も持っていたいが故に、「捏造」性の獲得みたいなものを声高に言いつのるのもいいかな、などと思ったり。
▽せしせしにニンジン、ハルノノゲシを与える。
▽奥さまと待ち合わせ、途中の駅で降りて、ラーメンを食べて帰る。積極的にラーメンを食べようなんて日は年に1、2回しかないが、今日はそういう日。