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▽せせせはニンジン、みかんの皮を食べた。日常業務。
▽神奈川県内の飲食店は完全禁煙になったという話を聞いた気がしたのだが、それは幻聴だったようだ。鴨居のガストは禁煙でも完全分煙でもなかった。幻聴ではない可能性としては、鴨居が神奈川じゃないということもちょっと考えられる。
▽写真家N氏と歩いていた。「こちら著名な写真家の方ですよね」と声を掛けてきた女がいたので歩みを止め顔をそちらに向ける。その女がいうには、この著名な写真家の名前も知らず、写真も見たことはないんですけど、著名な写真家に是非見てもらいたい写真展があるという。
写真家N氏は独特の風貌と空気感を持つ人だから「名前もなにも知らないけれど、なんでも著名な写真家らしいよ」ぐらいの噂が近所にたっていることは想像がつく。
こちらが「はあ」というなりその人がなぜだか知らないが持ち歩いていたポスターをこちらに広げる。「○ケダ○イサ○写真展」。内心すべてを了解して「はーはー、了解しましたよ、覚えておきます」と心にもないもといあたりさわりのないことを言って写真家N氏と立ち去ろうとすると、その女は、著名な写真家は普段どんな写真を撮っているのか、と聞いてくる。また難しいことを……と思いつつ回答を考えている間の会話の空白に、この出会いの終了を見てしまった写真家N氏が、もう歩き出してしまった。私も適当なことを言って会話を打ちきり著名な写真家に走って追い付く。
▽今日の辻占「いやだったのは、字幕も飛び出てたところだね」
▽「なにを撮ってるか」という質問に明確簡潔に答えられるコンテンポラリーの写真作家なんているんだろうか。モリヤマダイドウに「何ヲ撮ッテイルンデスカ」と聞いて、簡単に了解できるような答えが返ってくるのか。あるいはムラカミハルキに「何ヲ書イテイルンデスカ」と聞いて、簡単に了解できるようなテーマが返ってくるのか。まあ知らないけど、そんな質問意味ないない。以前シンポジウムで天才を自称する写真家が「沖縄を撮ってるんじゃない。沖縄で撮ってるんだ」と言っていた。いいかえれば「沖縄で撮っていたって沖縄を撮ってるということさえできない」ということじゃないか。こういう感覚はかなりな人たちが共有しているという気がする。
▽せせせはニンジン、キャベツをもらった。