■

1030
うさぎにセリ、セロリ、ブロッコリーの茎、サクラ・チップスを与える。日常業務。

2131
記憶から意識上にうかんできたことを断片的かつ羅列的に。自動筆記っぽく記述してみる。

札幌に移りすんで一年目、真駒内は豊平川のほとりにある〈サケ科学館〉で鮭叩きを体験した。生け捕った鮭を手でつるして持ち、棍棒で頭を叩いて気絶させ採卵するのだ。慣れた人がやるとスコーンと抜けた音がして一発で気絶させられるのだが、なにしろ生まれて初めて叩く我々にはそのポイントがよくわからず、何回も叩くはめになった。それでもやっと気絶させて、採った卵に精子をかけると、ぐにゃぐにゃしていた卵の外膜は硬化して、まるでスーパーボールのように弾むのだった。その時脳内では、精子の先体反応から始まる受精の手順が、SFちっくなイメージでスロー再生されていた。鮭に先体反応があるのかどうかは知らないが。
網走の北方民族博物館に行ったのはそののちのことだ。そこで私は鮭叩きという行為が、環オホーツクのみならずもっと広範囲の民族に広がっている文化だと知るのだった。各民族はそれぞれに特徴的な美しい鮭叩き棒を持っていた。私はほとんど半日以上その場にい続け、スケッチなどをしていた。
鮭図で有名な高橋由一の鯛図を笠間の日動美術館で見て、すっかり由一のファンになったのはいいけれど、その後由一の絵を見る機会はひとつもないのだった。ほんとは鮭図などは、何度か見ることのできるチャンスはあったのだけれど、ことごとく潰した。絵描きであると同時に写真家であった。

2230
せしーにニンジン、キャベツ、ブロッコリーの茎を与える。