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うさぎと暮らす野鳥好き

人生の掟(25)フライドチキンはファミチキ一択

nasu00012011-06-24

▽せせせはニンジン、キャベツをもらった。
▽夜から風。
▽っていうか強風。
ペンタックスなのにそんなもんか。Auto110の魂を思い出せ。むしろアレをデジタル化してくれよ。
▽これはいい写真。

▽小学生4年生ぐらいの頃だろう。ワシは同級生のオカダくんと園瀬川であそんでいた。川幅は20メートルもあっただろうか。おおむね浅く流量も多くはなく、場所を間違えなければ安全な川だった。ワシらの間では旧海軍のプラモデルがブームで、ワシがそのとき川に浮かべていたのは「伊勢」だった。彼は潜水艦をもっていた。彼の伊号400潜は、2メートルごとに浮上/潜水を繰り返すすばらしい機構をもったものだった。ワシらは結構長い間遊んだ。すでに日は傾いて彼の顔が日に赤く照らされる頃。ふとふたりの注意がそれた瞬間、彼の潜水艦は川の深みの方に流されていった。流されて、というか潜水艦はその意志でよどみの方へ前進していた。深みはよどんで暗く、水の中は何故かそこだけ何も見えなかった。
▽潜行した後すぐに浮上するはずの潜水艦はなぜかその暗い深みの中で沈黙し、次の浮上のタイミングを見つけられないでいるらしかった。深みの中でヤバい流れが渦巻いているに違いない、だから浮上しないのだ、ワシはそう思った。オカダ君は彼の潜水艦を取り戻そうとして追いかけた。オカダ君はすでに肩までその暗い水に浸かり、なおも前進しようとしている。「危ない、死ぬぞ」、ワシは彼を止めようと声をかけたが彼はなおも前進しようとしていた。どうすれば彼の足を止められるのか。「下流で待ってれば流れてくる」。自分でもあまり信じていないことを言ってみる。彼が振り向く。数秒見つめあっていただろうか。ワシの言葉を信じたのか、あるいは潜ってまで探すことに突如ためらいを覚えたのか、ゆっくり彼は戻ってきた。びっしょり濡れたオカダ君とその深みを越えたもっと下流の浅瀬で諦める言い分けのように待ってみたが、彼の潜水艦が再び浮上することはなかった。
▽あの暗黒の中にオカダ君がもぐることはなかったのだが、彼の潜水艦とともに彼をも失うかもしれないというその時のドキドキした感じは思い出すたび今も胸の中にあらわれる。
▽ワシの「伊勢」もその後はやった爆竹(学校からは禁止されていた)の餌食となり(爆竹を仕掛け、水上で爆発させる)同じ川底に身を横たえることになるのだが、それはまた別の話。
▽せせせはニンジン、キャベツをもらった。日常業務。